![]() |
東北大学法科大学院メールマガジン第52号 01/15/2010 去る平成21年10月13日(火)(第1回)と平成21年10月26日(月)(第2回)の2回に分けて「新司法試験合格者の講演会」を開催しました。本法科大学院を卒業し、本年度の新司法試験に合格した5名の方々にご講演頂き、また在学生との間で活発な質疑応答が行われました。 今回は、1人目として第1回の講演会でご講演頂いた戸川委久子さんの合格体験談をご紹介いたします。 合格体験談 戸川委久子さん
○はじめに〜自己紹介
<論文対策>
○答練の利用
○論述スタイルの確立 この点について詳述しますと、民事要件事実・刑法の構成要件や行政法の訴訟要件の検討部分について、本番で事案分析のみに集中できるように論述の手順・方法を予め考えて習熟しておくということであります。 ここに事案分析とは、法的評価(俗にいうと論点の探索)を入れる前に、社会的事実としての事案の特質を捉えるということです。思うに、事案の特質を把握して争点を摘示し、その解決の基準を条文・基本原理から導き出して事例に適用してゆくことが論文答案の基本形といえましょう。それ故、問題文の事案から、その事案固有の問題点、即ち事案の特質を捉えることが、法的分析の出発点であり、勝敗の分かれ目だといえるのです。 更に、その論述の過程で段落分けをしたり見出しを付したり、読みやすいように工夫することも、常日頃の答案練習で訓練しておくべきでしょう。 以上の点については、新試験過去問を解いて第三者に見て貰ってその講評を仰ぐということをしました。「第三者」といっても、私の場合は家族が講評者でした。家族という「一般社会の常識人」と問題を検討したことによって、問題文の事案の特質の捉え方の視点が大変参考になりました。
○萩法会の活用 特に、「補講」として出題された問題を解答し、メールで答案提出して弁護士の先生に見て頂いたことが勉強になりました。答案構成上の悩みや質問をメールで送信し、これに対して先生から的確で温かいアドバイスを頂いたことが、孤独で不安な受験生活において心強い励ましとなりました。
<択一対策>
○弱点の把握 一科目まわし終わったら、別科目に移って同様に繰り返します。直後だと解答を暗記している虞があるからです。全科目を回し終えたら、弱点補強のために誤答のみ反復します。誤答回数の多いものは特に集中的に反復して、徹底的に弱点克服を図ります。 そうして、本試験直前期に更に全科目1回まわした後、誤答のみ反復します。ただ、択一だけやっているわけにはいかないので、1日の2〜3時間毎日とか、連休等まとまった時間に集中して勉強するなど、時間の工夫をすべきでしょう。
○解答速度
<模試の利用〜本試験のシュミレーションとして> 疲労の時期・程度、それによる影響については個人差があろうかと思います。そこで、本番シュミレーションとして、本試験と同じ日程で行われる直前模試を利用されるとよいのではないでしょうか。本試験日程における自己疲労・体調の変化を予め知っておくことは、本試験対策として事前の受験勉強と同様かそれ以上に重要だと思います。 とはいえ、本番と模試とではプレッシャーが違います。どんなに事前対策を講じても失敗してしまうこともあります。それでも、最後まで勝負は分かりません。絶対に諦めないことが肝心です。 また、受験後記憶の鮮明なうちになるべく早く論文試験の答案を再現しておくべきだと思います。結果がいずれであったにせよ、後につながるからです。
<終わりに> ◆編集後記 平成22年(2010年)初のメールマガジンとなりました。本年も、積極的な情報発信、コンスタントな発行を心がけていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。 本号より、新司法試験の合格体験談を逐次ご紹介したいと思います。今回の掲載にご快諾いただいた戸川さんに、心から御礼申し上げます。 (杉江記)
メールマガジンの配信停止をご希望の方は、 発行:東北大学法科大学院広報委員会 |
![]() |
![]() |